太極拳の技術を理解するには、理論的な思考が必要となります。理論的に物事を考えるための方法として、「具体」と「抽象」に分類する方法があります。
例えば、「夕食を作る」場合、これは内容が特定されていません。
メニューが決まっていないので、色々な選択肢が生まれます。つまり、これが「抽象」です。
「夕食にカレーを作る」となると内容が特定されます。
また、「夕食に特定のカレールーを使い、鶏肉を使い作る」となると、更に内容が特定されます。つまり、これが「具体」です。
「抽象」とは、色々な内容を含み、選択肢が広い内容となります。
「具体」とは、細かく内容を選定する事で、内容が明確化する事だとも言えます。
太極拳において、套路(型)は「抽象」の部分が強いと言えます。
そのため、太極拳は、形のまま運用する事は困難です。
各太極拳門派に伝わる、套路以外の練習体系は、「抽象」で構成されている套路を理解するために、「具体」に変換したものだと言えます。
この練習で一番有名なものが「推手」の練習です。
この「推手」の練習は、套路に含まれる招式の用法を単純化して練習する内容だと言えます。
また、套路内の招式を、より理解しやすい形態にて練習する内容でもあります。
「推手」の場合は、招式内の力の使い方を覚える部分が強いとも言えます。
また、「推手」においても、平円推手や四正推手などの「抽象」に近い体系の練習や、「具体」の色が強い練習法もあります。
このような「具体」に近い「推手」を、当教室では「対練推手」(対打推手)と呼んでいます。
このような「具体」の練習体系は、局面的な構成となっています。
つまり、その状況でしか使えないという事です。
しかし、「抽象」で構成されている形態を理解するためには、「具体」の練習が必要です。
実際の局面において、どう運用するかの実例がなければ、理解できないためです。
「抽象」である套路などの練習だけでは、なんとなく理解したような気になっただけで終わります。
そして、複数の「具体」の中から、「抽象」につながる技術を抽出していく作業が必要だと言えます。
本当の大天才でない限り、「抽象」だけの練習の中から、技術を抽出する事は不可能だと言えると思います。
そのため、套路練習やそれに類する練習だけでは、本来の技術を習得する事はできないのです。そのため「推手」の練習が重要なのです。
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太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、太極拳の推手を中心に練習しています。十五式太極拳(伝統楊式系)、基本功法(気功)と推手(太極推手)を練習中です。 興味のある方は、下記をご参照下さい。
場所:仲宿地域センター 2階第一洋室(東京都板橋区氷川町12番10号)。
日時:月曜日 19:30~21:00
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