太極拳には、陳式、楊式など、多くの種類があります。一般的な解釈では、陳式から楊式が生まれ、楊式を基盤にして、現在練習されている様々な太極拳が、発生したと言われています。
現在、楊式太極拳以降に成立した太極拳には、殺傷力の強い打撃法や技は、ほとんど存在しません。
現在の太極拳では、一部の技を除き、相手を押し飛ばす程度の技しかありません。
もちろん、例外はありますが、楊式太極拳の成立中期に、失伝してしまったと、言われています。
これは、太極拳の練習者が、貴族のような高い身分の人間や、現在でいう学者や教養人である、文人だったためだと言われています。
逆に言うならば、そのような人間には、殺傷力の高い技は、必要なかったという事です。
そのため、太極拳の練習内容は、推手の練習で行われる、相手の重心を崩したり、相手の力を受け流し、無力化させる技術に特化しました。
このような、相手の力を無力化する技術のみに限定するならば、中国武術の中でも、トップクラスの技術力を持つ武術となりました。
ボクシングが、パンチ技術のみに特化したことで、パンチテクニックのみに関して言えば、格闘技の中で最高峰のテクニックを保持したのと、同じような意味あいです。
もっとも、太極拳の場合は、戦後、表演武術が主流になり、太極拳が特化している推手の練習すら、なされなくなりましたが。
しかし、これにより、太極拳という武術は、相手の力を無力化する技術は発展しましたが、相手を倒すための技が欠除した武術となりました。
もちろん例外もありますし、古伝の楊式太極拳の一部や、その前に成立していた陳式太極拳には、そのような技術や練習法が、残っているようですが、絶対数としては少ないと言えます。
そのため、そのような太極拳の練習者は、形意拳や八卦掌にそれらを求めたと言えます。
太極拳練習者が増えた当時、主流は北京での活動でした。
たまたま北京で、形意拳や八卦掌の練習者が多かったのと、身体の使い方や技術が、太極拳のものと近かったためです。
また、著名な武術家である孫禄堂が、形意拳に太極拳や八卦掌を加えた、内家三拳の概念を推奨した事も、要因の一つと言えます。
このように、本来の太極拳は、推手の練習で行われる、相手の力を受け流し、無力化させる技術に特化した武術です。
しかし、殺傷力のある技が欠除した武術だとも言えます。
現代で太極拳を練習するならば、推手の練習によって、太極拳に特化した技術を学ぶ事が、重要だと思います。
もし、太極拳を武術として成立させたいならば、殺傷力のある技術は、他の武術から学ぶ事が肝要かもしれません。
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