太極拳の練習は、ほとんどの場合、慢練で行います。
つまり、ゆっくり動く練習法です。
この慢練を重視する太極拳の門派は、多くあります。
ほとんどの太極拳の門派で、このような練習をします。
また、早く動く練習を、快練と言います。
この快練を練習する太極拳では、陳式太極拳が有名だと思います。
では、太極拳の練習において、なぜゆっくり動く、慢練を重視する門派が多いのでしょうか。
太極拳は、元々武術として発展しました。
現在では、健康法としての意味が強いですが、普通に考えれば、一般的な太極拳の、ゆっくりした動きで、戦闘が出来るとは、考えられません。
だからといって、ただの健康法になったわけでもありません。
つまり、ゆっくり動く慢練が、武術としても、健康法としても、意味があるという事です。
これには、幾つかの意味があります。
一つは、運用する筋肉です。
人間の身体には、大きく別けて、2種類の筋肉が存在します。
相性筋と緊張筋です。
相性筋は、白い色をしており、白筋や瞬発筋とも呼ばれる筋肉です。
この筋肉は、通常の運動やスポーツをする時に、主に使う筋肉です。
筋トレなどで肥大し、トレーニングを繰り返す事で、太くなります。
緊張筋は、赤い色をしており、赤筋や持続筋、抗重力筋とも呼ばれる筋肉です。
この筋肉は、主に、止まった状態の姿勢制御などに使われる筋肉です。
また、身体の内部の、内臓の位置を固定したり、内臓の働きを助けるなどの役割を持つ筋肉も、この緊張筋に属します。
最近のフィットネス分野で、よく呼ばれる体幹とは、大雑把に言えば、身体の内部の筋肉を鍛えて、安定させる事ですが、この時に鍛える筋肉の一部は、この緊張筋だと言えます。
例えば、人が、ただ止まった状態で立っている場合、筋肉は、何もしていない訳ではありません。
その姿勢を維持するために、活動しています。
この時に使われる筋肉が、緊張筋なのです。
太極拳に限らず、中国の武術は、この緊張筋を活用して威力を作る事が多いと言えます。
また、日本の武術の一部も、この緊張筋を活用します。
日本武術では、空手などです。
例えば、これらの武術の突きは、打ち出した後、打ち出した状態で止めます。
ボクシングなどのパンチは、打った後に、すぐに引き戻します。
空手や中国武術の突きが、拳を引き戻さない理由の一つとして、緊張筋を活用するからだと言えます。
太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、太極拳の推手を中心に練習しています。十五式太極拳(伝統楊式系)、基本功法(気功)と推手(太極推手)を練習中です。 興味のある方は、下記をご参照下さい。
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